
学習のお悩み相談
学校での学習でつまづく⼦がいます。知的に⾼い低いということではなく、ほんの少しの勘違いや思い込み違いで上⼿に理解できない⼦どもが少なくありません。
学習でつまずいたことで学習が好きでなくなったり、中には学校が好きでなくなってしまう⼦もいるのです。とても残念で悔しいことです。
「この⼦どもは学習が苦⼿だ!」なんて決めつけちゃう前に、私たちは、その⼦どもに合った「学び⽅」やその⼦どもが楽しいと思える「学び⽅」をもっともっと探求する必要があると考えています。
そこで、この「学び⽅広場」では、学習のつまずきの原因や対処の具体例を随時ご紹介していきます。
ぜひ、参考にしてみていただけたらと思います。
⼦どもの学び⽅の正解は1つではありません。ぜひ、いろいろな⽅法を楽しみながら取り組んで
いただけましたら幸いです。
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計算が苦手で繰り上がりの概念がしっかりと身につきません。
何か良い方法はあるでしょうか?(Y・I)具体物を使って遊びながら繰り上がりの概念を身に付ける方法をご紹介します。
一の位の数を黒色い球、十の位の数を緑色の球にします例.黒色の球が10個たまると緑色の球1個に交換できる。これが繰り上がり!
ジャンケンで球を取り合うなど遊びながら繰り上がりを実感する子もいます。
ゲーム後は実際の筆算で一の位を黒色、十の位を緑色、百の位を赤色と色分けすることで先ほどの遊びとリンクして理解しやすいと思います。各位の数字を色分けして計算練習
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うちの子は算数の文章題が苦手です。計算はできないわけではないのですが……
何か良い方法はありますか?(1)算数の文章題が苦手というお子さんは少なくありません。
そしてその要因もシンプルに「これ!」という一つのものでなく、いくつかの要因が考えられます。
ですから、今回より少しの間、算数の文章題を苦手と感じる理由とその対策法を掘り下げてみたいと思います。子どもたちに、「算数の文章題は得意?それとも苦手?」と尋ねると多くの子どもが「苦手」と答えるというのは皆さんも想像できると思います。それは何故でしょう? 実はそこには子どもたちにとってさまざまな理由と言い分があるのです。
その言い分にしっかりと耳を傾けることで、良い解決策に出会えるかもしれません。
まずいくつかの文章題をご紹介させていただきます(今井むつみ著「学力喪失」2024より)。(小学校1年生の教科書からの問題)
➀ 子どもが14人、1れつにならんでいます。ことねさんの前に7人います。ことねさんの後ろには、何人いますか。
この問題は1年生の問題でありながら、3、4、5年生の正答率は衝撃的に低いそうです。
多くの子どもが、14-7=7(人)と誤答したそうです。➁ えりさんは、山道を5時間10分歩きました。山をのぼるのに歩いた時間は2時間50分です。山をくだるのに歩いた時間は、何時間何分ですか。
この問題はある小学校3年生の正解率が、17.7%だったそうです。
➂ X mのひもから、ycmのひもを切り取ったときの残りのひもの長さを、文字を使った式で表しなさい。
この問題では、中学生335人の内、正解はたったの40人だったそうです。
④ なおきさんのテープの長さは、えりさんのテープの長さの4倍で、48㎝です。えりさんのテープの長さは何㎝ですか。
この問題を48×4=192㎝ と誤答した子どもが多くいたそうです。
「倍」とあるので掛け算!とりあえず出てきた数字を掛けてみたと思われます。これらの問題はごく一例ではありますが、子どもたちがなぜ誤答をするのか?という問いにはそれぞれに理由があるようです。
一般的に、文章題を解く過程は
① 文章題を理解する過程
② 解決する過程
の2つに大きく分かれます。① 文章題の一文ずつの意味を理解すること、文と文の関係を理解すること
文章の意味を理解するには、言語知識(語彙の深さや広さ)、文の前後の関係や修飾される語との関係を理解する必要があります。② 理解した文章から式をつくること、その式を計算して答えを出すこと
式をつくるためには、意味を理解した文章の内容と算数の既有知識を統合し、立式の方針と計画を立てる必要があります。そしてその式を四則演算の知識を使って正しく計算することで文章題を解くことになるのです。上記の例に戻って少し見ていただきたいと思います。先ずは、➀の問題
子どもが14人、1れつにならんでいます。ことねさんの前に7人います。ことねさんの後ろには、何人いますか。
式を立てるその前にこの問題の言っていることを正しく理解できているか否か、文章からイメージができているか、図に表せるかということが問われることになります。
参考文献では、子どもの能力の重要な鍵について提言されています。
それは柔軟な「視点変更能力」です。これは、文章を読む時に他者である書き手の意図や視点を考え、それに合わせて自分の解釈を振り返り、文章全体の意味と一貫しているかどうかを評価する能力に繋がっています。
この視点変更能力こそが読解力の核であり、学力の核になる能力であると考えられます。
更にこれらは「メタ認知能力」とも深く関係しています。「メタ認知能力」とは、自分を客観的に見る力のことで、この能力が高まることによって子どもの文章題(さらには学習全般)について良い光が見えてくるでしょう。次回は、上記の「メタ認知能力」の高め方についてご紹介させていただきます。
引用書籍:
●今井むつみ(著)『算数文章題が解けない子どもたち』(岩波書店)2024
●今井むつみ(著)『学力喪失』(岩波書店)2024
●宮本信也(著)『学習障害のある子どもを支援する』(日本評論社)2019
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うちの子は算数の文章題が苦手です。計算はできないわけではないのですが……
何か良い方法はありますか?(2)算数の文章題が苦手というお子さんは少なくありません。
そしてその要因もシンプルに「これ!」という一つのものでなく、いくつかの要因が考えられます。
ですから、今回より少しの間、算数の文章題を苦手と感じる理由とその対策法を掘り下げてみたいと思います。今回は前回からの算数文章題「苦手の原因とその対策シリーズ」の第2弾です。
当団体(NPO法人SeedsAPP)が運営する個別学習教室(「学び方教室BB」)に通室する子どもの体験と共にお話を進めたいと思います。前回は、算数文章題を解く過程は大きく分けて、
1.文章題を理解する過程 2.解決する過程 の2つがあることをお話しました。
そして1.「文章題を理解する過程」では、子どもたちの柔軟な「視点変更能力」が必要であり、それが文章題を解くにあたっての重要な鍵の1つとなっていること、。また、その視点変更能力は、自分を客観的に見る力「メタ認知能力」と関連があり算数の文章題のみならず、学力全般に大きな影響してくることをご紹介いたしました。(今井むつみ著「学力喪失」2024より)今回は、その「メタ認知能力」を高める簡単な方法について少しご紹介いたします。
➀体験したことを振り返る
「今日はどんなことをしたの?」「何を感じた?」などの一日の振り返りが有効です。
簡単な日記(絵日記)などで楽しい習慣にするのも良いでしょう。また、友達とケンカしたり、何か失敗をしたりなどネガティブな体験に対しては、しっかりと話を聞いてあげた後で「どうしたら良かったと思う?」などを子ども自身に考えさせることも有効です。
ネガティブな体験をポジティブな学びに変えるチャンスであると同時にメタ認知能力も高める、まさにピンチがチャンスと言えるかもしれません②遊びを通じて
パズルや問題解決型ゲーム、ストーリー展開のあるゲームなどは論理的思考、計画力、創造力、そして判断力なども鍛えていくことになります。
遊びの中にも子ども成長させる要素がいっぱいあるのですね。③本や物語を通じて
「なぜ、この主人公はそうしたのだろう?」「あなたならどうする?」などの質問から他者視点を学ぶ方法も有効です。文章を「読む」ということについて今井先生の著書の抜粋をご紹介します。
・読むことは、自分の視点から離れ、他者の視点で世界を捉えることだ
・読むことは、作者の視点で作者の意図を読み取り理解し、それを超えて自分の知識と思考を拡張することだこのように日頃の生活習慣の少しの意識でメタ認知を高める(視点変更力を磨く)ことが算数の文章題、そして学習全般の「学習力」に繋がっていると言えそうです。
ここで、「文章題を理解する過程」とは少し離れますが、
この「メタ認知能力」と「ケアレスミス(不注意によるミス)」との関係について少し触れたいと思います。私が算数・数学を教えている子どもたちの中には、問題の解き方をちゃんと理解しているのにケアレスミスをして正解できない子どもも少なくありません。
実はこの「ケアレスミス」と「メタ認知能力」には深い関係があるのです。私が以前数学を担当していた中学3年生男子のことをご紹介させていただきます。その生徒はとてもケアレスミスが多く、テストの度に「ケアレスミスがなければ+20点だった~💦」と頭を抱え悔しがっていました。
そこでその生徒と私は「ケアレスミス対策」をしようと話し合い、学習中に以下のことを意識しました。➀間違いを自ら振り返る
解法ミスをしたとき、「どこでミスしたか」「なんでミスしたか」を問いかけ、自分で間違いを発見して、次回からどこに気をつけたら良いかをその子ども自身が言葉にする。
②解法手順の見通しを立てる
問題を解法する前に「どのように解法するか」の「手順や戦略」を前もって言葉にする
③見直し 解法後にさらっと見直しをする上記のことを高校受験前の数か月間意識して学習に取り組みました。その生徒は本当に良く努力しました。ケアレスミスが断然減り、点数も伸びました。結果、数学がより好きになり自信が生まれたようです。結果、希望の高校に合格を果たすことができました
高校入学後も数学のテストでクラストップになることもあり、嬉しそうに報告してくれたことを今でも鮮明に思い出します。お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、上記の対策はまさしく「メタ認知能力」を高める取り組みです。問題解法に取り組む自分を客観的に見る癖をつける、言ってみれば「もう一人の自分」を想定して自分を確認・評価するような経験を積んだのです。
「メタ認知能力」が高まったことで「学習における好循環」が生まれた成功例と言っても過言ではないと思います。算数の文章題でも大切な「メタ認知能力」! ぜひ、日頃から意識されてみてはいかがでしょうか?
それでは、次回は算数文章題の「2.解決する過程」についてご説明をさせていただきます。
引用書籍:
●今井むつみ(著)『算数文章題が解けない子どもたち』(岩波書店)2024
●今井むつみ(著)『学力喪失』(岩波書店)2024
●宮本信也(著)『学習障害のある子どもを支援する』(日本評論社)2019


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